ムダは事務所では見つけられない
決算書や貸借対照表,キャッシュフロー計算書を見てもムダを見つけることは出来ません。
書面で数字を見てわかることは、リードタイムぐらいではないでしょうか。
サイクルタイムでさえ実際に現場の計測を行わなければ算出できません。
「現場のデータをまとめてみました!」
などの集計結果は、いわば結果論に対する議論しか生まれません。
業務改善は業務の流れ、すなわち、過程が大切なのです。
現場を診ること無しで業務改善を図ることはできません。
現場全体を俯瞰することから始める
ムダを見つけるときには、作業者の手元から始めるのではなく、現場全体を俯瞰することから始めます。
局所的なことから始めると、その箇所しか診ることができず、業務の停滞している根源が他にあるにもかかわらず、外れた場所を改善することになります。
それは、業務停滞の根源と他の業務による温度差を上昇させ、ボトルネックを大きくさせる要因ともなります。
全体の流れから精査を行い、各部署や各チームへ絞り、その後、人の流れを経たうえで、人の手元へと移行します。
現場を観察するときは静と動で判断
現場を観察するには時間を要します。
製品が加工され完成するまでの流れを、資材導入から出荷までの一連の流れを見ることも需要ですが、静として観察することも重要です。
ゴルフのツアー観戦の方法と似ています。
特定の選手に18ホールついていく「付き添い型」と、ある絶好の場所に陣取り、そこから動かず見る「定点型」です。
業務改善では、時には「定点型」を取り入れ、立ち止まって動かず、ただ、ひたすら診ることを行います。
人やモノが目の前を何度も行き交うと見受けられれば、そこには間違いなくムダが存在します。
労働者の表情や機械の音も精査
ムリな作業は結果としてムダな作業を生じさせる原因となります。
現場で働いている労働者の表情で、ムリな姿勢を繰り返していることを絞り込むことができます。
さらに機械の異音を聞き分けることで機械にムリが生じていたり、油のさし忘れや消耗品の交換時期の欠落を見抜くことができます。
現場の声は、現場でしか聞くことができません。
予知を図ることも大事な業務改善なのです。