片付けは業務改善の基本
会社訪問すると事務所の入り口に段ボールが山積みであったり、靴が散らかったりする光景を見ることはないだろうか。
そのような会社は事務所や工場内においてもワークや資材が山積みな状態を良くみます。
作業者の周辺に不必要な工具などが散乱していることを維持した状態で業務改善することは不可能です。
業務改善の基本は、片付けだと言っても過言ではありません。
一言で片づけすると宣言しても何から行って良いか判断に迷うかもしれません。
そのような場合は、5Sを取り入れ順番通りに行ってみてください。
5Sの基本である整理・整頓ができれば片付けの7割は進んだと言えます。
作業手順や作業ラインを精査する前に、まずはムダとなるワークや備品の廃棄や移動から始めなければ、業務改善は成り立ちません。
片付けができないムダ要因
片付けをせず、散らかった状態で業務を遂行していくと、どのような弊害が及ぼされるでしょうか。
(状態1)ワークを山積みにしていた場合
(ムダ1)下のワークを取り出すために上のワークを取り除くムダな作業
(状態2)作業者の周りにワークや備品を広げた状態
(ムダ2)ワークや資材を探すムダ、広げ過ぎて取りに行くムダ
(状態3)類似のワークや資材が小分けされていない状態
(状態3)間違ったワークを取り付けたり誤作業による欠陥製品の製造
など沢山のムダの原因となるのです。
片付けから生まれる効率化
では、片付けによる効果とはどのようなことが期待できるでしょうか。
整理することで要らないモノを捨ててスペースを確保することができます。
(スペースは有限でコストが発生することは忘れてはなりません。)
要らないモノの選別は難しいかもしれませんが、いつか使うから捨てないなどと考えていては整理は進みません。
技術の進歩や市場の変化で過去の産物となったモノは、例え購入金額が高くても整理することを考えましょう。
整理した必要なモノを整頓することで必要なモノを必要な時に取り出せる状況を生み出すことが可能となります。
(整理したモノを綺麗に並べることが整頓に値することではないことを念頭におくべきです。)
ムダを見つけて喜ぶ
現状の作業現場を、様々な目で見て診ることによりムダを見つけます。
そこで発見することができたムダで頭を抱え考え込むのではなく、この発見でコストダウンすることができるなどと考えてみてください。
業務改善で効率化を目指さなけれなムダを発見することはできず、このムダという名の宝を見つけることはできなかったのです。
ムダの発見は宝探しであり、ムダは宝なのです。
片付けをしない
ここまで片付けは業務改善の基本であると述べてきましたが、究極は片づけをしないことです。
厳密に表現すると片付けをしなければならない行動要因を、常に日頃から行わないことなのです。
ワークや資材の配置を戻しやすい配置にすることなど仮置き状態となる二度手間の工程を行わなければ片付けと言う工程はなくなります。
片付けを仕事とせず、作業の一環にワークや資材の移動があることは当然のことなのです。
業務改善への取り組みと考えると難しく感じますが、その入り口として片付けを行ってみませんか。
片付は5Sの基本であり、その延長に業務改善があります。
競争力のある会社への取り組むのファーストステップは片付けなのです。
作業現場の相談役
現場実践型-業務改善コンサルタント
エスエムシーコンサルティング SMCCONSULTING