整理とは
整理とは、いらないモノを捨てることです。
片づけができていない作業場で効率の良い作業ができるはずがありません。
不必要なモノが邪魔となり、非効率が生じます。
整理・整頓を行うことは業務改善に取り組む重要な土俵づくりなのです。
しかし、その土俵づくりは辺りを見渡すだけではなく深掘りしなければ意味がありません。
作業ミスによる失敗作のワークや、予測と反して過剰な在庫が発生した場合など、人に知られたくない窮地になると、人は出来る限り見えない場所に追いやる傾向にあります。
見渡すだけでなく隠れた場所まで精査することが要らないモノを捨てる「整理」となります。
ワークや資材の放置理由
モノが放置されている理由が何かを考えなければなりません。
作業者が必要か否かの判断できず放置されている状態なのであれば、仕分け指示を行っていない職長に原因があります。
放置した作業者に対する対策を考えるのではなく、指示を行っていない職長へ問題定義しなければ解決しません。
また、作業者がモノの始末方法を把握しているにもかかわらず、手を加えなかった場合はどうなるでしょうか。
その場合は、職長に仕分け方法を再教育しても無意味です。
職長を通じ作業者へ整理の効果など、作業が「楽」となることについて説明することが必要です。
モノの必要基準を設定する
整理を行う際に一番難しいことは捨てるタイミングです。
廃棄した後に必要な事態となったらどうしようと考えたり、廃棄責任を問われたりしたら嫌だなどと想定しているから整理ができないのです。
しかし、必要基準を個人で設定することでは基準を定めたとは言えません。
必要基準は各会社で設定し、常に見直さなければなりません。
例えば使用頻度により、1週間の使用や1か月の使用の有無など、必要基準を設定し、使用していないモノは捨てるとします。
その頻度をモノにより分けることも可能であり、常に見直しは必要です。
必要頻度を定める
「何が」「どのくらい」「いつ」必要かを常に念頭におき整理します。
しかも、この必要基準は常に見直す必要があります。
大量在庫により経営を圧迫していた材料が、市場の流れで需要が生まれ、更には需要過剰な状況となることも考えられます。
そのため常に先見の目で捉えなければ整理はできません。
「捨てる」作業のサイクルはできる限り短く、しかも、小ロットにて行うことがリスクを軽減させる効果が生まれます。
資材管理表を作成
備品などの資材価値は減価償却で期ごとに判断することができるのではないでしょうか。
しかし、資材価値は購入時の価格で常に判断され、数字で価値を改めて見定めると、捨てる判断が鈍ることがあります。
価値のない資材は販売価値が無ければスペースの邪魔な存在のみです。
その後の資材の行く末を考え、管理を精査するべきです。
常に資材の価値、将来の予測などを踏まえ、適切な整理を行うには、資材や備品などを適切に管理し、感情で整理しないために、資材管理表を作成することが必要です。
5Sの基本である整理ができなければ業務改善を始めることはできません。
モノが散乱した中で業務改善取り組むことときは、作業手順を考えることではなく、まずは業務改善に障害となる不要なモノを取り除くことから始めなければなりません。
作業現場の相談役
エスエムシーコンサルティング SMCCONSULTING