作業手順書とは
業務が人によってバラつきがある!
製品の仕上り時間が計算できない!
などと嘆いている経営者の方への対策です。
製品を作る際に、「出来上がりが同じであれば過程は問わない」と考えている経営者は少なくありません。
そのように過程を考慮しなければ、いずれはミスやトラブルが生まれ、しかも、その原因を究明することができません。
作業の標準化を図ることにより、誰が作業を行っても同じ製品ができることが可能となります。
その標準化を記憶するのではなく、記録により明文化し、ツールとして使用することで、ケアレスミスをなくすことができます。
標準化作業を明文化されたツールが作業手順書なのです。
何故、作業手順書が必要か
作業手順書は、その名の通り「書」です。
そのため、「この製品の作り方は私の頭の中にある!」などと職人気質で発展を望まない人には不向きです。
業務内容を統一したり、仕上り予定状況を計算するためには不可欠です。
各工程においてサイクルタイムを算出するためには、一定の作業手順なしでは計測できません。
また、同じ業務を遂行しなければ、同じ品質を保てません。
このように、業務を捉えるうえで、基準を定めなければ、業務の価値を定めることはできません。
共有する作業手順書
作業手順書を作成しても、自分ひとりで熟読していたのでは意味がありません。
その業務を遂行する人が常に見ることができ、作業手順書に沿って業務を行えなければ無意味です。
作業手順書で業務内容などを確認することが業務に支障があったり、時間を要するなどの不都合があっては作業手順書とは言えません。
常に作業に寄り添う手順書であることを心掛けましょう。
業務を遂行する人の常に傍にあることです。
独りで作成してはダメ
作業手順書は社員が同じ手順で製品を作れることを考えた所謂、行動の指示書です。
そのため、独断で作成したのでは手順に偏りが発生し最善な手順の指南書とは言えません。
作成する際には、実際に作業を行っている現場を観察し、グループにより最適な手順書を作成するべきです。
もちろん、管理部門だけで作成するのではなく、現場の作業者の参加も不可欠です。
フォーマットを作成して取り組む
作業手順書の作成には、事前にフォーマットを準備し、そのフォーマットに沿って作成してください。
フォーマットに従い、文章や図・イラストなどを記載することで工程における偏りがなく、全体的な流れを考えた作業手順書を作成することができます。
フォーマットを用いることで、会社全体で統一された業務となります。
当然、他部署から配属され、新たな業務を行う際にも、以前の部署と同じフォーマットであれば、取り組み易いはずです。
作業手順書に必要な記載事項
作業手順書は時系列で作成します。
そのため作業を行う順番は必ず付けます。
文書は上から左から見ることが当然などの固定観念は捨てます。
また、作業手順書での数量の表現には、「適量」や「約」などの曖昧な表現を使用してはいけません。
勿論、作業には許容範囲があります。
その様な場合では、基準寸法に寸法公差を入れることで許容範囲内での製品が仕上がります。
そして、作成日は必ず記載します。
写真や図・イラストの重要性
作業手順書を見るのはどのような時だと考えますか。
作業開始前や作業中の確認時など様々です。
統一して言えることは、作業手順書を熟読する時間は多く割けないことではないでしょうか。
そのため、作業手順書を読む行為よりも、視覚で捉えることも考えなければなりません。
すなわち、写真などにより見てとらえる手段が作業手順書には必要となります。
常に進化する作業手順書の在り方
一度作成した作業手順書は不滅ではありません。
市場の流れ、技術革新など多くの要因により変化して当然なのです。
工程の流れで他の部署の作業が見直され、他の工程にボトルネックが発生すれば、その部署の作業手順を見直します。
その繰り返しで会社は発展していくのです。