作業手順の方法

作業手順書の必要性

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作業手順書とは何か

作業者によって製品の仕上がりにバラつきが生じたり、作業時間に差があるなど、作業する人により製品価値が異なると感じたことはありませんか。

仕上がった製品の精度に均一性がない場合、その製品の精度評価は最低基準品に該当し、作業時間は一番長く要した作業者の時間を適用します。

端的に計算式で表現すると、

 外部評価基準 = ギリギリ合格品 × 社内で一番作業の遅い人の作業時間

これでは精度が高く短時間で製品を完成させた作業者の評価が意味を成しません。

その高レベルの作業者の手法を現場の作業者全員が実施できることが理想だと思いませんか。

その価値の高い作業を、作業者全員が実施できるように作業手順を表したものが作業手順書なのです。

全員が遂行できるための手順書ですので、職人の能力を基準とし、職人しかできない作業手順書では共有することはできません。

現場に初めて就いた人でも、作業手順書通りに作業することで、決められた基準や時間を保つ仕事を遂行することができるのです。

作業手順書の内容は、作業の手順手段方法などを書いた文書です。

作業手順書は、単なる手順マニュアルではなく、設備と作業者の動きの標準事項を定めた業務マニュアルなのです。

正しく作成された作業手順書の通りに作業することで、品質の安定効率化安全衛生などを図ることができます。

 

作業手順書がない会社

その作業の道しるべがない会社はどのような事態になっているのでしょうか。

一言でいえば、作業者のやりたい放題です。

 作業者の気分次第の作業方法。

左手にワークを持ち、右手にスパナ工具かと思えば、10分後にはワークは直置きで工具はモンキーレンチを使用するなど・・・

当然のことのようにワークや工具、作業台の配置などもワガママ配置なのです。

当然、ワガママ作業なので、製品の仕上がり精度作業時間にもバラつきが生じます。

加工方向や使用する工具、加工時間や回数などにより千差万別となります。

得意先からは、

「御社の品質レベルや納期ってどうなってるの?」

と質問されて答えることができないはずです。

だって、作業者によってバラつきがあるワガママ作業だから決まらないですよね。

ワガママ作業がもたらすデメリット製品の価値作業時間だけではありません。

想像してください。

工場内にワガママ作業者が密接している状況を。

もうお判りですよね。

このような作業場で災害が発生しないと断言できますでしょうか。

また、隣にどのような行動するかわからない人が、切削工具や電動工具を保持していて、安心安全な環境と言えるでしょうか。

ここまで必要性を説明しても、

「我社はベテランばっかりだから作業手順は職人に任せてるよ。」
「そんなに複雑な仕事じゃないから作業手順書は必要ないんだよ。」

などと作業手順を統一することを拒む経営者の声を良く聞きます。

正直、その経営者は

 ①会社の存続を職人に委ねている。
②職人に意見を言えない。
③会社の経営に関心が無く、危機感を抱くことを要しない。

など何れかに該当するのではないでしょうか。

現場の生産性を把握していない経営者は会社のPRができない。

それは必然的に会社の存続を考えていない経営者と言えるのです。

 

作業手順書のメリット

作業手順書の具体的な効果は何があるでしょうか。

作業手順書を読み、その手順に従い作業を進めることで、作業者が同じ手順などを共有することができます。

同じ手順で作業することで、品質が維持でき、同じ作業時間で完成させるなど効率化を図ることができるのです。

分かり易い例えで表現すると、新しいゲームを購入した場合には説明書を読みますよね。

電子ゲームでは説明書を読まなければ電源の場所すらわかりません。
ボードゲームでも遊び方を読まなければ皆が同じように楽しめません。

会社が成長していくためにも作業手順書は必要です。

コストダウン安全作業を図るために会議を実施していませんか。

その会議で、作業方法を変えようと唱えても、今までの作業方法が明確でなければ、作業方法を変えることはできません。

作業手順書があることで、会社が日々発展することができるのです。

 

内部統制には不可欠

 内部統制という言葉だけ聞くと中小企業には関係ないと考える人も多いのではないでしょうか。

内部統制により、業務を適正かつ効率的に遂行する仕組みを図ることができます。

現場での作業も統制することでミスの原因箇所が明確になったり、トラブル発生時にも原因追究が容易となります。

これらの体制を構築するためには作業手順書が不可欠なのです。

確かに法的には、上場企業や会社法による大会社および関連会社が対象となっていますが、その大手企業と取引を行っている中小企業は多数存在します。

大手企業と取引を行っている中小企業は、大手企業と同様の企業体勢が求められるため、今後、中小企業においても、品質維持のため、大手企業から内部統制を求められるでしょう。

さらに、大手企業と同等の内部統制が実施できた中小企業は、同業他社よりもリードできることは間違いないのではないでしょうか。

その内部統制のために作業を標準化させるための作業手順書は必要なのです。

 

作業手順書の限界

作業手順書の作成により作業内容が統一化され、効率良く業務が流れることは可能です。

しかし、作業手順書にも限界があるのです。

作成された作業手順書は今までの経験則をもとに作成していますので、作業のあらゆる事態に対応できるわけではありません。

不測の事態など未知な状況には、作業手順書では対応できないのです。

新しい設備が導入されたり、新製品の生産だけではなく規格変更となった場合でも、常に生産能力の把握やリスクを考えることは必要です。

作業手順書日々進化しなければなりません。

一度作成した作業手順書だから、この手順書通りに遂行しなければならないことではありません。

技術の進歩が早いこの時代には、日々、手順書を見直し共有化することが重要です。

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