業務改善に取り組む構え方
「業務改善をしてコスト削減しよう!」
などスローガンを掲げても、結果は棚に描いた餅となるのが関の山ではないでしょうか。
業務の経費削減で取り組み易い事柄に「電気はこまめに消す。」や「再生紙を使用する。」などの目に見えることから始まります。
さらには、コスト意識に取り組み、製造原価である固定費や変動費を削減することを考えます。
業務改善は経費削減やコスト削減では考えない広い範囲で業務をとらえなければなりません。
業務改善には様々な視点から業務を診ることが必要です。
やみくもに取り組む業務改善では、絡まった糸が更に悪化し、取り返しのつかないことになりかねません。
業務改善に必要な3つの目
業務改善に取り組むためには3つの目が必要です。
全体を俯瞰する鳥の目
業務改善する目的が何かを定めれば、その目の必要性が明確となります。
会社の発展を目的としている業務改善であれば、会社全体を俯瞰することは不可欠ではないでしょうか。
作業を凝視する虫の目
業務を見るのではなく、診ることに集中します。
業務の改善には、見えていることだけにとらわれず、その背景も必要です。
業務の流れを読む魚の目
それぞれの業務を独立しているととらえてはいけません。
業務の流れ(工程間の流れ)を読み、流れに沿った業務改善を行います。
業務を無くすこと
「今、行っている業務、それ、必要ですか。」
業務全体を俯瞰することは、特定の業務の効率化を図る前に、その業務自体に価値があるか否かを考えます。
必要のない業務を無くすことで、大幅な時間や労力を削減することができます。
業務の効率化を精査する前に、業務そのものを無くすことができないか考えます。
無くすことができる業務を態々効率化する必要はありません。
その業務を無くすことが最善策であることもあります。
勿論、他の部署や他社に委ねることも選択肢の一つです。
業務を一緒にすること
「その業務は、他の業務と統合できませんか。」
業務自体を無くすことができなければ、次に、他の業務と統合することを考えます。
類似した業務と一緒にすることで、いままで2つの工程であった業務を1つとし効率化を図ります。
複数の業務を一緒にすることで、別々に考えていた業務を、一連の作業としてとらえやすくなります。
統合することで重複していた作業をまとめることができ、新たな集合体として発揮されます。
業務の統合での注意点は、新たに生まれる集合体の柔軟性に留意します。
統合することで業務のボリュームは大きくなります。
特定の業務に固執した作業しかできない状態となったり、単に統合されただけでは逆効果となります。
業務の順序を変更すること
作業手順を変更するだけで業務に要する時間を短縮することが可能となります。
業務の順序を変更することにより、段取りの工数や時間を減らす効果、運搬を削減する改善効果も考えられます。
時間短縮だけでなくミスやトラブルを軽減する効果も生まれます。
ミスやトラブルが生じる原因には工数が多いだけでなく順序も重要な要因の一つです。
業務の順序を変更することで業務の流れを滑らかにしましょう。
業務を単純化すること
ストレートしか投げないピッチャーと変化球を多用するピッチャーではどちらがキャッチャーの後逸する可能性が高いでしょうか。
業務を単純化することでミスやトラブルを軽減させることを考える必要があります。
従来の業務がシンプルだったが、様々な環境の元、気がつけば複雑となっていた業務などは、業務の単純化を取り入れることができるのではないでしょうか。
業務改善で取り組む事項は、手抜きではなく単純化です。
単純化は業務改善でリスクが一番少ない改善手法です。