業務の価値の重要性
価値のある業務なのか、もしくは、価値のない業務なのか。
その判断を見極めることは非常に重要なことです。
価値ある業務を価値なしと判断し、削減することは、品質が落ちたり、ミスやトラブルの原因となります。
価値のない業務を削減することで、リードタイムを短くすることができます。
価値のない業務に時間や経費を重ねても製品価値は上がりません。
ここでは、改善に取り組む順序として最優先される業務を価値のない業務と称し、業務改善策とします。
業務の価値基準とは
それでは価値のある業務とはどのような行為を言うのでしょうか。
それを図るうえでは、まず、主たる目的を明確にすることです。
業種により目的は異なるため、当然の如く、価値のある業務も異なります。
また、企業により目的も異なってきます。
主たる業務の元に様々な業務が生まれています。
当然のように行っていた業務にも価値のない業務があると考えられます。
製造業から見る価値ある業務
製造業は、製品を作る業務を現場の主たる目的と考えます。
資材や部品などを加工・組立により完成品へと近づける行為を価値のある業務と捉えます。
資材に穴を開ける行為は価値ある行為ですが、その穴位置を定める行為は価値のない行為です。
何故なら、穴を開けることにより資材は付加価値が生まれますが、穴位置を計るだけでは付加価値は生まれません。
(実際に製造業において仕掛品の資産を計算する場合は穴の有無により価値が異なります。)
価値のない業務例(改善に取り組む業務)
・加工・組立方法を間違えないように確認する作業
・現場の製品に付随される伝票記入
・製品の仕上りを検査する作業
・情報を共有するための会議
・製品を運搬する作業
などは、ミスやトラブルを防ぐための手段に過ぎません。
そのため、これらの行為などを除き製品に付加価値を与えた行為を価値のある業務と考えます。
物流業から見る価値ある業務
物流業は、製品を目的地まで運ぶことを主たる目的とします。
御客様から預かった製品を決まった時間に決まった場所へ安全に運ぶ行為を価値のある業務と捉えます。
製品を福岡(出発点)から東京(着点)まで運搬することは価値ある行為ですが、途中の大阪(中継点)で中継する作業は価値のない業務と捉えます。
何故なら、御客様へ配達完了して製品に付加価値が生まれますが、中継を入れることでは製品に付加価値は生まれません。
(実際には中継することで効率化を図ることに繋がりますが、ここでは価値の有無について精査します。)
価値のない業務例(改善に取り組む業務)
・ターミナルで製品を整列する業務
・荷札シール(送り状)などの伝票業務
・荷受や配達以外での製品の移動業務
などは、ミスやトラブルを防ぐための手段に過ぎません。
そのため、これらの行為などを除き製品に付加価値を与えた行為を価値のある業務と考えます。
目的により業務の価値は異なります。
同じ行為でも目的が異なれば価値のある目的が一方では価値のない業務と判断されます。
上記の2つの業種では運搬行為に該当します。
価値のない業務は極力「0」に近づけることを考えます。
そこで生まれるのが業務全体の緩やかな流れです。