ワークライフバランス
理想論であり実現することは非常に難しい状況ではないでしょうか。
夫婦共働きが当たり前になってきた昨今において、専業主婦が少なくなり女性の活躍の場が期待される状態でもあります。
では、ある会社がワークライフバランスを積極的に取り入れ、更には取り入れた効果として、大きな利益を生み出す状況となれば市場や経済はどのような見方をするでしょうか。
その会社は世間から注目され、結果として、優秀な人材が集まりやすく、業界でも確固たる地位を築くこととなり、安定した経営が可能となります。
しかし、理想論だけでワークライフバランスだけを遂行したのでは会社は成り立ちません。
会社が存続しなければ意味がないのです。
慈善事業ではないため最優先でワークライフバランスを取り入れる必要はないと考えます。
あくまで、社員が安心して仕事に集中できる環境作りであったり、10年後の会社の在り方を考えた場合に取り入れる価値のあるワークライフバランスなのです。
所定労働時間の削減
残業時間の削減ではなく、所定労働時間の削減を図ります。
現代の日本では残業を行って当たり前、残業ができない社員は取り残されるなどの状況であることが実情です。
そのような実情のなか、中途半端に「残業時間をなくそう!」などとスローガンを挙げても効果は期待できません。
「毎週水曜日はノー残業デー!」などと掲げてどのぐらいの会社が実行できたでしょうか。
実行した会社も数か月と続かなかったはずです。
「サマータイムにより夕活を!」の制度は、単に朝早く出勤しただけで結果として、労働時間は更に長くなった気がします。
そのため、トップダウンにより所定労働時間を削減する方法に取り組むことをお勧めします。
家庭と仕事の両立
日本では平均所定労働時間は7時間45分ぐらいです。
一日は24時間であり、所定労働時間を8時間と設定した場合に家族との時間やプライベートの時間はどのぐらい取れているでしょうか。
睡眠時間や通勤時間など会話ができない時間を除くと、実際には4時間程度ではないでしょうか。
この時間だけ見ると、一番身近な家族との時間よりも会社で働くことに費やしている時間の方が圧倒的に多いのです。
残業が当然の業務と捉えているのであれば、割増賃金など非効率な賃金を発生させたムダな費用です。
所定労働時間を一時間でも削減できる仕組みができれば、社員のワークライフバランスだけでなく、会社にとっても様々なコスト削減の効果が生まれます。
年次有給休暇取得の促進
日本の年次有給休暇の取得率は他国と比較しても群を抜いて低い水準です。
年次有給休暇は日々の労働に対し有給としたリフレッシュ休暇が主たる目的だと考えます。
しかし、そのリフレッシュ休暇を取得し難い環境にあるのが現状です。
日本人の責任感の強さからか、社長及び上司が取得し難い雰囲気を作っているのか、日々の仕事量が取得できない状態となっているのかなどの様々な要因が考えられますが、リフレッシュできていないことに違いはありません。
具体的な2点について触れてみましたが、2つの取り組み両方を実施しなければ成立しません。
所定労働時間の削減や年次有給休暇取得の促進だけでは業務に大きく支障をきたします。
この2つを効果的に活用し、人件費の削減、社員1人に掛かる負担の削減を図り、会社で実践可能なワークライフバランスを取り入れることをお勧めします。
作業現場の相談役
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