運搬方法は多岐に渡る
モノを運ぶと一言で言っても、方法や手段は様々です。
運ぶモノや頻度、距離など目的に応じ使い分けなければなりません。
一般的には、定量運搬や定時運搬などの手法がありますが、製造工程では運搬のムダをなくすために、次工程が希望する時に希望する量だけを供給することが最良ではないでしょうか。
日常生活に置き換えてみる
作業現場をイメージして考えるから難しくなるのです。
身近なことで考えましょう。
外出先で移動する場合にどのような交通手段を用いますか。
電車、バス、タクシー、新幹線、飛行機、自家用車、徒歩、自転車など様々な手段が存在します。
人が動かない手段であれば、伝達手段として郵便、電話、メールなど更に手段は増えます。
その多岐に渡る手段を絶対に一つしか使わないなどの人はいないのではないでしょうか。
移動距離と運搬量
これらの運搬手段から統一して考えられることは、移動距離が近く、運搬物の大きさが小さければ輸送費は価格は安いことがわかります。
運搬物が軽くて小さいことで安価となる理由は、積載効率が高くなるため価格を抑えることができるのです。
運搬のコストは移動距離と運搬量に関連します。
運搬ムダコスト比の算出方法
運搬コストは距離に比例し、運搬量に反比例します。
運搬距離が長ければコストがかさむことになり、一度に多くの量を運べばコストは下がります。
計算式は、
運搬ムダコスト比=運搬時間(秒)/製品重量(g)となり、
例えば
A製品は運搬時間180秒、製品重量20gとします。
B製品は運搬時間90秒、製品重量20gとします。
180秒/20g=9
90秒/20g=4.5
運搬ムダコスト比が半分となります。
この運搬時間には運搬に要したすべての時間が入り、製品重量は状況により大きさになることもあります。
手ぶらは仕事ではない
往路のみの計算ではなく、 復路がある場合は必ず往復で計算します。
計算に加えると復路の手持ちが0gだとすれば・・・
答えは、計算不能です。
分母が0という計算はありません。
その意味は、この往復作業は仕事に値しないムダだと判断します。
現場で価値を生み出さない行為はムダです。
運搬のコストダウンを考えるときは、足し算ではなく、掛け算で考えます。
運搬のムダ時間を、その時間が無かったことのみで考えるのではなく、その時間は他の業務をすることができたと考え、乗数を使います。